海の町に建つ、離れのある家

大きな吹き抜けで海とつながる

和銅の家 茨城県大洗町 W邸 2004

どこにいても家族の気配を感じる

  海岸地域に建つ、ご夫婦とお子さんの家族三人が暮らす住まいです。敷地が分譲地の北側にあり、将来南側に建物が建つと陽差しが不足することが予想されます。そこで、リビングを思い切った吹き抜けの空間にして、一階にも十分陽差しが届くように計画しました。吹き抜けをつくることによって家族の希望でもあった「家の中で家族の居場所が感じられる空間」も実現しました。

離れで過ごす非日常の時間

 生活空間と隔離するように、「客間」と称した「離れ」をベランダの下の空間に設けました。「離れ」ですから、一度外に出てからデッキごしに入室することになります。内部をどのように演出しようか迷いましたが、思いきってシンプルを極めた和室として提案しました。通常の住宅にはなかなかない、茶室のような静清な空間は、まるで瞑想でもできそうな雰囲気を醸しています。「家族の居場所を感じられる空間」と対照的なこの部屋は、客人がないときには、一人静かな時間を過ごすことができる特別な空間です。
 濃紺と白を基調とした外観は、海と砂浜のイメージしました。似たような色や形の家が並ぶ分譲地の中で、住む人の個性をさりげなく主張するようなデザインを心がけました。楽しい家族の家ができたかな、と自負しています。

DATA

敷地面積325.01㎡(98.33坪)
建築面積98.55㎡(29.81坪)
延床面積131.59㎡(39.81坪)
構  造木造軸組工法 2階建
屋  根ガルバニウム鋼板
外  壁金属サイディング 一部、硬質木片セメント板塗装
床  材桐無垢板貼り
壁  材ビニルクロス貼り、和紙クロス貼り